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​​手塚夏子のアーカイブボックス 抜粋

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お手紙

 

はじめまして。私は西暦1970年に、現在「日本」と呼ばれている国の神奈川県横浜市に生まれた女性です。私たちが生きている時代に政治的に重要なことがたくさん起きていましたが、学校での教育やマスメディアを通して伝わって来る情報からは重要な事が重要でないようにしか伝わらないことが多く、私はそれなりに楽観的に世の中を見て生きてきました。自分の着ている服、家、生活、アニメ、テレビタレント、学校生活、そういったものに囲まれて、特別疑いも持たずにある程度まで大きくなりました。とはいえ、「表面的な問題のなさ」への漠然とした違和感も同時に持っていました。しかしその違和感を共有できる相手は大人になるまで見つかりませんでした。

 

西暦2011年3月11日に、日本の東北地方で大きな震災、および原発事故が起きました。それをきっかけに、日本で見えていた表面的な平和の裏側で実際にどんなことが起き続けているか、いろいろと見えてきました。日本だけでなく、いろいろな国同士の関係も、楽観的に考える事ができないような、深刻な問題がたくさんあることも分かってきました。例えば経済的な危機やエネルギー問題や、原発問題や戦争の可能性などが今後どのような展開をもたらすのでしょうか?それらの悲観的な見方をたくさんできるような状況を現在生きることになったのです。

 

この文章を読んでいる方の文化圏、生い立ち、考え方、時代は私には想像しきれませんが、瓶に詰めた手紙のようにこの書き物をできるだけ遠くに投げたいと思っています。そして、この書き物との接点を持った人がまたどこか遠くに投げて下さいますように。それが何かの役に立つのかは分かりませんが、ひとまず小さな流れを生み出すことになりますように。

 

 

 

 

 

西暦2014年12月8日 手塚夏子

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